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5/17 NHK「深読み」で新たな労働時間制度が議論されました。【今井】
2014-05-17
ホワイトカラー・エグゼンプションについて議論されました。一定の範囲の労働者(年収1,000万円以上の専門職等)について労働時間の規制を除外しようとするものです。これは数年前からかなり議論されてきているもので、中小企業も他人事ではないと考えています。
時間外労働にかかる割増賃金、過重労働・長時間労働による健康障害など、近年の先進国に典型的な問題と言えます。
売上、利益、成果を追求するがあまりに上記のような問題がでるのでしょうが、番組中にもあったように、長時間労働により日本人の生産性が低いというのも国際競争が激しくなる時世において、無視できない現実と捉えています。
番組中では法律による規制、労働基準監督署の取締強化、割増賃金の割増率の上昇などが議論されていましたが、いずれも実効性という意味では、私見として疑問です。
実際に労働者を雇用している事業主や企業については、日々変動する社会情勢、経営環境に対応しなければならず、サービス残業になってしまっている企業等であっても、望んで行っているところは多くありません。様々な経営努力をしている中でも、難しいというのが現実ではないでしょうか。
だとすれば、規制でどうこう変わるものではないと思うのです。個別の企業や抱える問題について、きちんとした解決策を模索し、実行できるようにすることがなにより先決ではないでしょうか。
しかし、国や労働基準監督署が個別に対応することは不可能であり、労働基準監督署は労働基準法違反等の指摘や取締は行われますが、具体的にどのように取り組めばよいのか、法律上の運用でどのようにすれば効率的に業務が遂行され、労働時間が短縮できるかまではアドバイスをもらえません。
企業等のそういった問題に個別に対応できるとすれば、われわれの社会保険労務士であり、それこそが一番の職責ではないかと改めて考えさせられました。
企業の健全経営は、適切な就労環境の礎の上にあるもので、数字や机上の空論でなるものではなく、常に実効性を追求するべきではないでしょうか。
私どもも微力でありながら、少しでもお客様のそういった問題に真摯に向き合い、問題解決に尽力できるよう日々の精進し、誠実に取り組んでまいります。